恋愛感染エクスタシー

肩に置かれた手から熱を帯びるように感じるのは、私の思い違いなのか。


密室に二人というシチュエーションも手伝って、鼓動が加速していく。


まだ見られている気配に、堪らなくなって俯いた。



「あ、あの……この辺りが少しキツイような」


黙っていることに耐えかねて、ウエスト辺りを指差す。


「ここはこの位フィットしていた方が、ラインが綺麗に出ていいんだよ」


不意に腰に触れられて、ビクンと反応してしまう私。


ツツツと動く指先に、吐息が漏れてしまった。


ふと顔を上げて見た鏡の中の橘さんの熱い視線に射抜かれて、身動きができなくなる。


鏡を通した間接的な眼差しだからこそ、かえって翻弄される。

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