恋愛感染エクスタシー
故意か過失か。
耳元にかかる吐息が、私の理性を飛ばしていく。
鏡に映った自分の上気した顔が、やけに淫靡だった。
「他の色も着てみようか」
ゆっくりと下ろされるファスナー。
まるで、私の反応を試しているかのような眼差し。
そうされているというのに、私の出方に「拒絶」という行為は、もはや存在しなかった。
陥落。
その言葉が、何よりも適切だった。
足元に落ちたワンピース。
露わになった素肌。
下着姿の私が鏡の中で「もっと」とせがむ。
それなのに橘さんは、鏡の中の私を見つめるだけ。
焦らすような笑みをたたえた視線に、息が苦しくなった。