恋愛感染エクスタシー

「……橘さん、」


いっそのこと、私から。

そう思った私を見越して、橘さんは表情を一転させた。


「この色もなかなか綺麗だろう?」


視線でさんざん犯しておきながら。

何事もなかったように、別の色を着させようとするなんて、どこまで意地悪なの?


「今は着たくありません」


弄んだ罪は、償ってもらいます。


身体を反転させ、橘さんの首に腕を巻きつけた。


「これ以上……焦らさないで」

「お望みとあらば」


勝ち誇った笑みが癪だけれど。

初めて合った直の視線は、誘うように妖しく揺れた。



―fin―


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