恋愛感染エクスタシー
だからこそ顔を向けられなくて、前を向いたまま「何?」と無愛想に答える。
「こっち向く気はない?」
「どうして?」
「どうしても」
「ちゃんと前を見てないと危ないわよ?」
「今はまだ赤だ」
そんな押し問答を繰り返すうちに痺れを切らした蓮が、手を伸ばして強引に私の顔を蓮へと向けた。
至近距離で絡む視線。
そんな間近で瞳の奥を覗かれたら、私の本心に感づかれてしまう。
見てはいけない。
そう思うのに、蓮の視線から逃れることはできなかった。
「多分、俺たちの考えてることは一緒だと思うんだけど」
「え?」