恋愛感染エクスタシー


一瞬戸惑いの表情を浮かべた課長。


その唇を思い切って塞いだ。



時間にすれば1秒。

それでも、唇は確実に触れ合った。



「うつったらどうするんだ」


パッと離れた私に、部長がたしなめる。


「……風邪はうつしたら治るって、よく言うじゃないですか」


恥ずかしさを捨てて、課長を真っ直ぐ見つめた。


「それに……」

「それに?」

「課長には、もうとっくに感染してます」


目を伏せて、フッと笑みをもらす課長。

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