JKとベルトと彼。
episode2.
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「___…ぃ」
好きな人の声に似てる…。
「___…まい。起きて」
あ、ともの声だ…。
「……ん…とも……」
少し目を開けると、目の前には愛しい彼がいる。
「まい、目 覚めた?」
「…んー……」
まだ、ともの声が甘く響いてる。
「…目 覚めてないな」
ともが呆れたように笑った。
「…んぅー…?」
「目 覚ましてやろっか?」
いたずらっぽく笑う彼。
「…ん……?」
だんだんと暗くなる視界。
「今から目 覚ましてやる」
やわらかい感触。
優しく触れる彼の唇。
壊れないように、傷つけないように そっと触れる。
____…宝物のように、優しく。
「……ぷはっ…」
「…目 覚めた?」
口元に笑みを浮かべ、楽しそうに笑う。
「…ばかやろ」
「バカで結構〜♪」
「…もっかい ちゅーしやがれ…ばか」
「はいはい」
しかたないなと呟きながら、嬉しそうに唇を重ねる彼。
そんな彼が大好きでしかたない。
あたしを宝物のように大切にしてくれる。
壊れないように そっと触れる彼。
切ない顔で何度も大丈夫?と聞いてくれる彼。
こんなに幸せなことってない。
こんなにあたしを大切にしてくれる人に抱かれて、幸せな夢をみて、幸せな気分のまま 目が覚める。
あたしは初めてのできごとに、自分は幸せの絶頂にいるんだと思った。
それくらい素敵な 春の午後だった。
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