JKとベルトと彼。
episode3.
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2014年 4月9日 水曜日。
伊藤 真依。15歳。
誕生日を1ヶ月後に控え、本日、天野高校へ入学しました。
___…入学式って、変な感じがする。
中学で一番仲の良かった親友は地元を離れて、別の市の学校へ行ってしまった。
他にも仲の良い友達はたくさんいる。
元々、中学の同級生たちとは特別 仲が良い。
中学は規模が小さく、その中で私たちの学年は生徒が多い方だった。
男女合わせて49人。
1年生のときは50人だったけれど、1人の男の子が転校してしまった。
かといって、何が変わるわけでもなく、それまで通りの生活だった。
そんな少ない同級生たちと毎日騒いでいた日々。
すごく楽しかった。
とても、すごく…____。
「まいーーーー!」
遠くから名前を呼ばれ、はっとした。
「おーい!おはよー!」
50m程離れたところから手を振る小柄な女の子。
「ゆりのー!おはよー!」
あたしも負けないくらい手を振る。
石岡 百合乃。15歳。
先月 誕生日を迎えたばかりのピチピチの15歳。
「まい おはよ!クラス表 一緒に見に行こ!」
「うん いいよ!」
高校の制服に身を包んだ百合乃は、なんだか あたしの知らない人みたいだった。
中学の制服じゃないから見慣れないだけなんだろうけど。
…入学式はやっぱり苦手。
仲の良い友達も、知らない人みたい。
新しい空気に浮かれて、新しい環境にドキドキして、……精神的に疲れる。
_____…この学校に ともはいないし、ね…。
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