麗雪神話~麗雪の夜の出会い~
廊下のむこうからディセルが走ってきた。
「ディセル! 霧よ! 部屋に備え付けてるゴーグルをして! 急いで!」
「…わかった!」
駆け去るディセルを見もせず、セレイアは客間に走った。
フリムとクレメントが来ているのだ。
彼らを守らなければ。
途中廊下の片隅でうずくまって霧にむせている使用人の娘をみつけた。セレイアはいてもたってもいられず、自らのゴーグルを差し出した。
「今に風車がまわるわ! だから私は大丈夫。あなたも窓を開けるのを手伝って」
「は、はい!」
セレイアの部屋は三階で、客間は二階にある。
服の袖でなるべく霧を吸い込まないようにしながら、セレイアは目的地までの最短距離を考えながら走った。そこに着くまでに風車がまわるだろうとセレイアは踏んでいた。
しかし、どうしたことだろう。
客間の大扉が見えて来ても、霧はどんどん濃くなる一方で、風車がまわる気配がない。
どういうことかと風車まで行こうか迷っていると、駆けつけてきた使用人から報告があった。
「姫巫女様! 大変です! 風車が…」
「風車がどうしたの!?」
「どうやら故障のようです。動かないとの報告がありました…」
「―なんですって!!」
鈍器でなぐられたような衝撃だった。
では、この屋敷の者達は、どうなる!?
「ディセル! 霧よ! 部屋に備え付けてるゴーグルをして! 急いで!」
「…わかった!」
駆け去るディセルを見もせず、セレイアは客間に走った。
フリムとクレメントが来ているのだ。
彼らを守らなければ。
途中廊下の片隅でうずくまって霧にむせている使用人の娘をみつけた。セレイアはいてもたってもいられず、自らのゴーグルを差し出した。
「今に風車がまわるわ! だから私は大丈夫。あなたも窓を開けるのを手伝って」
「は、はい!」
セレイアの部屋は三階で、客間は二階にある。
服の袖でなるべく霧を吸い込まないようにしながら、セレイアは目的地までの最短距離を考えながら走った。そこに着くまでに風車がまわるだろうとセレイアは踏んでいた。
しかし、どうしたことだろう。
客間の大扉が見えて来ても、霧はどんどん濃くなる一方で、風車がまわる気配がない。
どういうことかと風車まで行こうか迷っていると、駆けつけてきた使用人から報告があった。
「姫巫女様! 大変です! 風車が…」
「風車がどうしたの!?」
「どうやら故障のようです。動かないとの報告がありました…」
「―なんですって!!」
鈍器でなぐられたような衝撃だった。
では、この屋敷の者達は、どうなる!?