麗雪神話~麗雪の夜の出会い~
「危険すぎる。そんな真似、トリステアの大事な大事な姫巫女様にしていただくわけにはいかね」

「そうです姫巫女様。あなた様の槍の腕前は知っているけんども、村にも腕利きの奴らがいるで、彼らに行かせればよい」

親切からそう言ってくれる彼らに感謝しつつも、セレイアは頑としてゆずらなかった。

「大切な人の…敵討ちなのよ。どうか、止めないで。
人数はできるだけ少ない方がいいの。危険だから。お願い」

セレイアの決然とした瞳を見ると、村人たちもそれ以上止めることができないようだった。

かわりに、森に分け入るのに足りるたくさんの食料を援助してくれた。

二人分の寝袋、テント、食料袋…それらをそろえると、結構な大荷物だ。ディセルが三分の二を背負ってくれたので、正直助かった。荷物が重すぎると、戦いの時俊敏に動けないためだ。

村長に一晩の宿を提供してもらい、翌朝早く、二人はプミラに乗って森に向かった。
< 118 / 149 >

この作品をシェア

pagetop