麗雪神話~麗雪の夜の出会い~
茂みをかきわけ、時にディセルが村長にもらったナタで薙ぎ払いながら先へ進むと、不意に開けた場所が見えてきた。
ぽっかりとしたその空間に、朽ちかけた建物の跡が見える。
柱も梁も崩れ、蔦や苔に覆い尽くされているが、見覚えのあるトリステアの建築様式だ。
「ここは…神殿の、跡…?」
ずいぶん昔に使われなくなったのだろう。
セレイアは物珍しげにあちこち視線をさまよわせていたが、ディセルはじっと一点をみつめたまま固まっていた。
「…ここだ。
ここで、禍々しい何かの力が使われたんだ」
「禍々しい…確かにね。私にもわかる。見ているとぞっとするわ」
セレイアは思わず自らを自らの腕で抱きしめる。
知らず鳥肌が立っていた。
人間であるセレイアにもわかるのだ、おそらく精霊であるディセルはもっと敏感に感じ取っていることだろう。しかし…
「この場所、毒の霧と関係あると思う? ディセル」
注意深く見ても、セレイアにわかることは少ない。
「どうだろう……そこまでは……」
ディセルが眉根を寄せて考え込んだ。
ぽっかりとしたその空間に、朽ちかけた建物の跡が見える。
柱も梁も崩れ、蔦や苔に覆い尽くされているが、見覚えのあるトリステアの建築様式だ。
「ここは…神殿の、跡…?」
ずいぶん昔に使われなくなったのだろう。
セレイアは物珍しげにあちこち視線をさまよわせていたが、ディセルはじっと一点をみつめたまま固まっていた。
「…ここだ。
ここで、禍々しい何かの力が使われたんだ」
「禍々しい…確かにね。私にもわかる。見ているとぞっとするわ」
セレイアは思わず自らを自らの腕で抱きしめる。
知らず鳥肌が立っていた。
人間であるセレイアにもわかるのだ、おそらく精霊であるディセルはもっと敏感に感じ取っていることだろう。しかし…
「この場所、毒の霧と関係あると思う? ディセル」
注意深く見ても、セレイアにわかることは少ない。
「どうだろう……そこまでは……」
ディセルが眉根を寄せて考え込んだ。