麗雪神話~麗雪の夜の出会い~
3
二人は空腹を覚え、少し開けた場所をみつけて食事休憩をとることにした。
頭上に茂る葉のせいで陽の高さはわからない。
だが、歩き通した感覚からすれば、昼は過ぎているだろう。
ブールの村長たちが心づくしで持たせてくれた硬めのパンに、二人でかぶりつく。
セレイアより少し早く食べ終わったディセルは、しげしげと落ちている葉っぱを手にとって眺めた。
見れば見る程美しい、と思う。
力強い葉脈。つやつやの表面。
この葉っぱだけではない、世界はどこを見ても、細部に至るまで神秘的でどこまでも美しい。
プミラが「何か面白いことがあるの?」とでも言いたげにディセルが持っている葉っぱに鼻を寄せてくる。それがかわいくて、ディセルはプミラをそっと撫でた。
―知らず微笑んでいたようだ。
いつのまにかセレイアが食事をやめて、こちらを見ていた。
「ディセルは本当に動植物が好きなのね。いえ…世界が好きってかんじかな」
にっこりと笑ったセレイアの一言を、自分の中で吟味してみる。
―世界が好き。
「好き……うん、好きだよ」
ディセルは頭上を仰ぎ、躍動感あふれる木々の姿を見上げた。
木が好きだ。蔓もシダも、全部好きだ。
珍しい色の蝶々が飛んでいる。それも好きだと思った。
生命にあふれるこの世界。
すべてが美しく、愛おしい。
そして―
「この世界が…好きだ」
目の前にいる、セレイアも。
頭上に茂る葉のせいで陽の高さはわからない。
だが、歩き通した感覚からすれば、昼は過ぎているだろう。
ブールの村長たちが心づくしで持たせてくれた硬めのパンに、二人でかぶりつく。
セレイアより少し早く食べ終わったディセルは、しげしげと落ちている葉っぱを手にとって眺めた。
見れば見る程美しい、と思う。
力強い葉脈。つやつやの表面。
この葉っぱだけではない、世界はどこを見ても、細部に至るまで神秘的でどこまでも美しい。
プミラが「何か面白いことがあるの?」とでも言いたげにディセルが持っている葉っぱに鼻を寄せてくる。それがかわいくて、ディセルはプミラをそっと撫でた。
―知らず微笑んでいたようだ。
いつのまにかセレイアが食事をやめて、こちらを見ていた。
「ディセルは本当に動植物が好きなのね。いえ…世界が好きってかんじかな」
にっこりと笑ったセレイアの一言を、自分の中で吟味してみる。
―世界が好き。
「好き……うん、好きだよ」
ディセルは頭上を仰ぎ、躍動感あふれる木々の姿を見上げた。
木が好きだ。蔓もシダも、全部好きだ。
珍しい色の蝶々が飛んでいる。それも好きだと思った。
生命にあふれるこの世界。
すべてが美しく、愛おしい。
そして―
「この世界が…好きだ」
目の前にいる、セレイアも。