麗雪神話~麗雪の夜の出会い~
セレイアと自分が出会ったという、神木を、最後にもう一度見ておきたかったのだ。
さくさくと雪を踏みしめてしばし歩くと、目的の神木が見えた。
久しぶりに目にする神木は、雪にも劣らぬ白さでもって、青空を背景に眩しいまでに目を射る。そしてずっしりとしたフォルムで凛と空へ伸びている。
ディセルはそっと、何かを確かめるように神木に手をやった。
鼓動の音でも聞こえるかのように、神妙な顔つきで。
しばしそうしたあと、そのまま見上げてみた。
するとセレイアがここで、自分に名前をくれたことを鮮やかに思い出した。
“ディセル”。
…ずっとただのディセルでいられたら、よかったのに。
そう思っても、ディセルは今日、旅立つのだ。
故郷に帰るために。
正確には、どうやったら帰ることができるか、知るために。
なぜならディセルの正体は――………。
さくさくと雪を踏みしめてしばし歩くと、目的の神木が見えた。
久しぶりに目にする神木は、雪にも劣らぬ白さでもって、青空を背景に眩しいまでに目を射る。そしてずっしりとしたフォルムで凛と空へ伸びている。
ディセルはそっと、何かを確かめるように神木に手をやった。
鼓動の音でも聞こえるかのように、神妙な顔つきで。
しばしそうしたあと、そのまま見上げてみた。
するとセレイアがここで、自分に名前をくれたことを鮮やかに思い出した。
“ディセル”。
…ずっとただのディセルでいられたら、よかったのに。
そう思っても、ディセルは今日、旅立つのだ。
故郷に帰るために。
正確には、どうやったら帰ることができるか、知るために。
なぜならディセルの正体は――………。