麗雪神話~麗雪の夜の出会い~
2
『あなたの両親は、幼い頃に行方不明になったということは、知っていますね』
唐突にそう切り出されて、セレイアは不審に思いつつも答えた。
『……はい』
『ほかに、何か知っていることはありますか』
『…いいえ、残念ながら。どんな人なのかも、何をしていた人なのかも、何もわかりません』
『……そうでしょうね。わたくしがそのように仕向けましたから』
『え!?』
耳を疑うとはこのことだった。
セレイアが今聞いたことが事実なのか理解できずにいると、ハルキュオネがたたみかけた。
『よくお聞きなさい、セレイア。私はあなたの両親を、知っています』
『えええ!?』
なんの心の準備もできていないセレイアに、ハルキュオネは語った。
『セレイア、あなたの父は名の知れた冒険家ランケスター。そしてあなたの母は、わたくしの前に姫巫女だった女性、セリーンです』
『――――………』
先代姫巫女セリーンが、自分の母。
突然そんなことを言われても、まったく実感が湧かなかった。
頭がついていかなかった。
セリーンといえば、霧を流すための風車を開発した女性ではなかったか。そんな情報がちらりと脳裏をよぎる。
唐突にそう切り出されて、セレイアは不審に思いつつも答えた。
『……はい』
『ほかに、何か知っていることはありますか』
『…いいえ、残念ながら。どんな人なのかも、何をしていた人なのかも、何もわかりません』
『……そうでしょうね。わたくしがそのように仕向けましたから』
『え!?』
耳を疑うとはこのことだった。
セレイアが今聞いたことが事実なのか理解できずにいると、ハルキュオネがたたみかけた。
『よくお聞きなさい、セレイア。私はあなたの両親を、知っています』
『えええ!?』
なんの心の準備もできていないセレイアに、ハルキュオネは語った。
『セレイア、あなたの父は名の知れた冒険家ランケスター。そしてあなたの母は、わたくしの前に姫巫女だった女性、セリーンです』
『――――………』
先代姫巫女セリーンが、自分の母。
突然そんなことを言われても、まったく実感が湧かなかった。
頭がついていかなかった。
セリーンといえば、霧を流すための風車を開発した女性ではなかったか。そんな情報がちらりと脳裏をよぎる。