麗雪神話~麗雪の夜の出会い~
第一章 人生の始まり
1
気が付いた時、彼の視界には見慣れぬ石の天井が広がっていた。
銀色にきらきらと光る石だ。
まるで雪のようだな…と、ぼんやり考えながら視線を脇にやると、顔のすぐそばに見慣れぬ金色の塊があった。
それは髪―つやつやと美しく、触れればさらりと指の間をこぼれるだろう、長い髪だ。
その髪の持ち主の顔は見えない。枕元につっぷして、どうやら眠っているようだ。
枕元。そうか、ここはどこかの家の寝台で、自分はこの金色の髪の持ち主に看病されていたのか。
そう理解した時、金色の髪の持ち主が「ううん…」と唸って身じろぎした。
そして彼の視線を感じたのか否か、突然がばりと身を起こした。
「はっ! 私、寝ちゃってたの!?」
金色の髪の持ち主は、少女だった。
空の青を写し取ったような青い瞳が印象的な、美しい少女だ。
黙っていれば深窓の令嬢のごとき美貌の少女なのだろうが、高く澄んだ元気な声を聞いてしまうと、溌剌とした印象の方が強くなる。
彼女を見た瞬間、思った。
ああ、“希望”だ…――――と。
「ああ!! あなた、目が覚めたのね!?」
整った顔面に浮かぶ喜色に、彼はとまどった。
この少女と自分は、知り合いだっただろうかと。
銀色にきらきらと光る石だ。
まるで雪のようだな…と、ぼんやり考えながら視線を脇にやると、顔のすぐそばに見慣れぬ金色の塊があった。
それは髪―つやつやと美しく、触れればさらりと指の間をこぼれるだろう、長い髪だ。
その髪の持ち主の顔は見えない。枕元につっぷして、どうやら眠っているようだ。
枕元。そうか、ここはどこかの家の寝台で、自分はこの金色の髪の持ち主に看病されていたのか。
そう理解した時、金色の髪の持ち主が「ううん…」と唸って身じろぎした。
そして彼の視線を感じたのか否か、突然がばりと身を起こした。
「はっ! 私、寝ちゃってたの!?」
金色の髪の持ち主は、少女だった。
空の青を写し取ったような青い瞳が印象的な、美しい少女だ。
黙っていれば深窓の令嬢のごとき美貌の少女なのだろうが、高く澄んだ元気な声を聞いてしまうと、溌剌とした印象の方が強くなる。
彼女を見た瞬間、思った。
ああ、“希望”だ…――――と。
「ああ!! あなた、目が覚めたのね!?」
整った顔面に浮かぶ喜色に、彼はとまどった。
この少女と自分は、知り合いだっただろうかと。