麗雪神話~麗雪の夜の出会い~
その時はっと、ディセルの脳裏に蘇る声があった。

『ひとりの異性のことを大切に想って、その人のことを考えると嬉しくなったり、一緒にいるとどきどきしたり、離れるとすごく寂しかったりすることよ』

この気持ちはまさか…

恋、なのではないか!

―俺はセレイアに、恋しているんだ。

そう理解した瞬間、爆発的な嬉しさが彼の中ではじけた。

「ふふ…はははは!」

たまらずに笑い出したディセルを、体勢を立て直したセレイアが不審そうに見上げる。

「どうしたの? 急に笑い出して」

「別に」

いぶかしげな視線も愛おしい。

ディセルは今、世界中に大きな声で言いたかった。

―俺はセレイアが好きなんだって!!
< 60 / 149 >

この作品をシェア

pagetop