星の降る街
『本当天気が良いなぁ〜気持ち良い!』

久子さんが言っていた通り、お日さまが顔を出して海をキラキラと輝かせている。時々髪の毛が僅かになびくくらいの風が吹き、潮の香りが鼻先をくすぐっていく。

『よしっ!行きますかっ。』

絵理香は軽やかに坂を登って行く。足もとは昨日の教訓を活かして念の為に持って来たスニーカーを履いた。服装も動きやすさを重視してまるで本当にピクニックに行くみたいだ。


道なりに暫く歩くと丘の上の方に緑いっぱいの場所が見えて来た。予想していたよりたくさんの木々が天に向かってその存在を主張している…大きめの森林公園といったところだろう。

絵理香は公園の入口に立つ。木でできた古ぼけた看板には「星見ヶ丘海浜公園」と書かれていた。

『こんな場所に来るのいつぶりだろう…。』

ゆっくりと公園の敷地内に足を踏み入れる。園内に入ると遊歩道の両側から様々な種類の木々がまるでアーチを作るように生えている。

木々の隙間からお日さまの光が差し込んでいるものの、やはり少し冷んやりした空気が身体を包み込む。

木々たちのマイナスイオンを目一杯浴びながら奥に進んで行くと二手に分かれる道。

左側は「展望台」、右側は「プラネタリウム」と案内板がある。
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