星の降る街
『あぁ…昨日言ってたこんなシーズンオフの期間に長期間滞在するっていう訳ありアラサー女か。それにしても…でっけえ女!』

悠太はヒールの分だけ高い絵理香を見上げるとフンっと鼻で笑った。

『はぁ?あなたには関係ないでしょ⁉︎』

次々に浴びせられる棘のある言葉に絵理香も聞き流せなかった。

『悠ちゃん失礼でしょ!ごめんね、絵理香ちゃん…ちょっぴり遅い反抗期なのよ。特に気に入った女の子には小さい頃からこんな風に…「何て昔の話してんだよっ////‼︎」』

悠太は耳まで真っ赤にしながら話を遮ると絵理香のスーツケースを奪い取り一人とっとと階段を昇っていく。

『ふふふ、照れてるのよ。仲良くしてあげてね!あっ、お夕飯の支度が出来たらまた声かけるわね!』

『…はは。よろしくお願いします。』

絵理香は最早家族のように接しられていることに再び苦笑いをすると、軽く頭を下げて悠太の後を追っていった。


『…おせーよ。』

部屋の前では悠太が絵理香の到着を見届けると、言葉とは裏腹にドアを開けてスーツケースを丁寧に運び込んでくれた。

『ありがとう。』

『っ⁉︎…あぁ、じゃあな。』

絵理香はにっこりと微笑んでお礼を言うと、悠太は何だか慌てて部屋を出て行った。
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