重い彼女…
『ほっといてくれない?』
っと冷たく言い放ち、声の主の方を向き、にらみつけた。

『泣いてたから…きになって』

そいつは、驚くほど綺麗な目をしていた。
そして、綺麗な目を囲む長いまつげ

高い鼻。羨ましいくらい整った顔立ちをした男だった。


外灯一本しかないこの薄暗さでもよくわかった。

その綺麗な瞳に見とれていると、その男は

微笑み私の座っているベンチの隣に腰をかけた。

『こんな時間に女の子1人であぶねぇーよ?』

綺麗な声。

私は我にかえり、恥ずかしくなってうつむいた。

『きいてるのか?』

『きいてるよ。ここがこかわかんないの』
私は蚊の鳴くような声小さな声で言った。
男は私の言葉にわらったのか、声にわらったのかわからないけど、いきなり笑いだした。

『ハハッ 迷子かよwwしかもさっきまでの威勢のいい声はどこいったんだよww』
私はその言葉にイライラしながらも

ずっとうつむいていた。

なんなのこの男。なにしにはなしかけてきたんだよ。
どっかきえてくれればいいのに。

そう思いながら携帯を開く。

開いて数秒もたたないうちに電源が落ちる。

『はぁ〜…』
おもわず漏らしたため息。

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