重い彼女…

不思議な彼

その時玄関へと消えた男が、救急箱を手にしてもどってきた。

『足かせ』
私は言われた通りにした。

彼がピンセットを手に取る。

怖くて目を固く閉じる。

『いった!!』

ふたたび激痛が走る。

目を開くと私の足の裏にささっていたのであろう一円玉くらいの大きさのガラスをピンセットでつまんでいた。

『よし、あとは消毒するだけだな。』

男はまるで割れ物をさわるように、優しく消毒をしてくれた。

そして、包帯を巻きながら

『いたかったな。でもこれで大丈夫だ』
っと、綺麗な顔をクシャクシャにして、子供のようにわらった。

『ありがと…』
私もつられて微笑んだ。

『お前もそんな顔するんだな!そっちの方がまだマシだぞ!』

『マシってどーゆーいみよ!』

私の言葉を無視して私を抱き起こす。

『入れよ』

躊躇しながらも素直に入った。
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