重い彼女…

『なっ!なんもないから!』


私は恥ずかしくなって、再びベットにもどり、布団を頭まですっぽりかぶった。

布団の中も、やっぱり部屋と同じ

私の大好きな甘いムスクの香り。

そのまま静かに眠りに落ちた。

目がさめたのは、夕方だった。

時計を見るなり、とびおきる。


夕方の6:00をさしていた。

『約束は夜なのに…』

私はいそいで和人をさがした。

でもどこかにでかけたのか、姿がない。
『ガチャ』

30分ほどまってると、玄関があく音がした。

そして、階段をのぼってきて、
勢いよく部屋のドアをあけた和人。

買い物をしてたのか、
手には黒い紙袋をもっていた。

『どこいってたの?』

ため息をつきながら言った。

和人は、ニコッとほほえんで、私の膝の上に、黒い紙袋をおいた。

『え?なに??』

不思議がる私。

『まぁいいからあけろよ』

微笑む和人。

そして私は紙袋の中にはいった大きめの箱をとりだし、あけた。

なかには、綺麗な黒のショートブーツがはいっていた。

『え?…』

驚いた。

『おまえ、靴なかったろ??だから、間に合わせだけど…』

こんな素敵な靴がまにあわせ?

和人はてれくさそうにうつむいていた。

目の奥があつくなって、涙がででくるのがわかった。

『お!おいっ!なくなよ!』

とまどっている和人をみて、思わず笑ってしまった。
『ないたり笑ったり、忙しい奴だな』


『エヘヘ…ありがと!』

本当に嬉しかった。

昨日あったばかりなのに、

彼の優しさに心うばわれた。

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