重い彼女…
私はまたため息をついて目を閉じた。

するとまた、枯れたはずの涙が溢れ出た。
今日は本当泣いてばかりだ…

『泣いてるの?』

突然人の声が聞こえた。

私は聞こえないふりをして、また目を閉じた。

『ねぇ、泣いてるの?』

まるで、この空のように澄み切った、落ち着いた綺麗な声。

でも今の私には、話しかけられることさえもイライラする。

『おい、きこえてんのか?』

ふたたびその声の主は話しかける。

いい加減にムシャクシャした私は、

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