彼氏より好きな人
「本日一斉専門委員会があります」


担任の先生はそういう。


はぁ、またか。


だいたい保健委員は適当だ。


始まらの挨拶も適当で。


「私達、2B講義室なんだってー」


私は山野君に言う。


「ん」


思ったけど、この人って無口だよね。


男子の中では楽しそうに喋るのに、女子になったら目の色を変える。


なんかあるのかな。


そう言えばこんな話を聞いたことがある。


山野君は誰とも付き合ったことがないって話。


正直驚いた。


あんなにもかっこいい人が。


身長が低いから??


それとも恋愛に興味がないから??


どちらにしてもモテるはず。


にして、私はと言うと。


付き合ったことは二回あるが、


告白されたことはない。


そりゃあそうだ。


私を好きになる人なんかいないよ。


どうせブスだし。


だからぜーんぶ私から。


結果続かないんだけどさ。


もう恋愛なんかしない。


というか出来ない。


私みたいな人ができるわけないんだ。


ー放課後ー


「起立」


「礼」


保健委員長さんの髪型は何故かオールバック。


なんで??


なんで今時オールバック??


だけど顔はかっこいい。


隣には山野君がいる。


委員会は長引く。


どうでもいい話ばっかり。


でもまぁ、部活には行きたくないんで好都合。


話が長すぎて、山野君がイライラするのがわかった。


「…って言う流れになります」


やっとおわりがみえてくる。


「じゃあねっ、山野君」


私はバイバイと手を振る。


だけど彼は手なんか振ってくれるわけでもなく


「あぁ」


とだけ行って、グラウンドに向かって行った。


あーあー、部活行きたくない。

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