魔女の瞳Ⅱ
「あら」
私は嘲笑うかのように男を見下ろす。
「まだ逃げ出さずにいられるのね。流石は教会の秘蔵っ子、大した精神力だわ」
「く…」
悔しげに息を吐き出した後、男はゆっくりと立ち上がる。
…膝が震えていた。
恐怖と戦慄で、体が言う事を聞かない筈だ。
「雨が降っててよかったわね…これなら恐れおののいて失禁してたってわかりっこないもの」
彼は私が最も嫌悪する種類の人間だ。
侮辱の言葉も最上級のものをチョイスしてやる。
その言葉に。
「いい気になるなよ、忌々しい魔女め…!!」
恐怖を押し殺すかのように、男はギリ、と歯噛みした。
「魔女狩りの時代から、貴様達魔道の探求者は我々祓魔師(ふつまし)によって殲滅される運命にあるのだ。今回逃げ延びられたからといって助かったと思うな…!」
祓魔師。
魔女、悪魔、悪霊、魔物…。
この世界に存在する魔性の者…ひと括りに『異端者』と呼ばれているが…それらを排除する為の、教会の異端者殲滅専門職。
私達異端者側からすれば、『エクソシスト』の方が通りがよかった。
私は嘲笑うかのように男を見下ろす。
「まだ逃げ出さずにいられるのね。流石は教会の秘蔵っ子、大した精神力だわ」
「く…」
悔しげに息を吐き出した後、男はゆっくりと立ち上がる。
…膝が震えていた。
恐怖と戦慄で、体が言う事を聞かない筈だ。
「雨が降っててよかったわね…これなら恐れおののいて失禁してたってわかりっこないもの」
彼は私が最も嫌悪する種類の人間だ。
侮辱の言葉も最上級のものをチョイスしてやる。
その言葉に。
「いい気になるなよ、忌々しい魔女め…!!」
恐怖を押し殺すかのように、男はギリ、と歯噛みした。
「魔女狩りの時代から、貴様達魔道の探求者は我々祓魔師(ふつまし)によって殲滅される運命にあるのだ。今回逃げ延びられたからといって助かったと思うな…!」
祓魔師。
魔女、悪魔、悪霊、魔物…。
この世界に存在する魔性の者…ひと括りに『異端者』と呼ばれているが…それらを排除する為の、教会の異端者殲滅専門職。
私達異端者側からすれば、『エクソシスト』の方が通りがよかった。