魔女の瞳Ⅱ
「そういえば呪眼を移植された事で、肉体改善も受けたのだったな、君は…常人離れした打たれ強さはそれによるものか…」

言いながらクリスは倒れた修内太に近づいていく。

「……っ」

私はまだ魔力のコントロールが上手くできないでいる。

くそ…いつもならこんなのあっという間なのに…出血のせいで、上手く集中できない…!

ガクガクと震えながら立ち上がろうとする修内太を見ながら、気ばかりが焦った。

「修内太…もういい…逃げて!」

叫ぶ私に。

「ふざけんなよ…!」

修内太は鋭い視線を向けた。

「お前を少しでも疑うなんて…かっこ悪い真似しちまったんだ…この上お前を置いて逃げるなんて…そんなかっこ悪い真似できるかよ…どれだけ恥かかせる気だ…」

立ち上がった修内太は右手をクリスにかざし。

「っっっ!?」

もう、矢が放てない事に絶句した。

…無理もない。

矢の魔術に障壁。

ここまで魔力を激しく消費したのだ。

彼の魔力量ではもう底をついても不思議ではなかった。

「そろそろ幕引きだな」

クリスは左の掌を修内太に向けた。

あの、不可視の砲弾を撃つ気だ。

「宮川修内太。残念だが君は魔女の眷属として、この場で排除する」

あんな砲弾を生身のままで食らったら、修内太の体なんてズタズタにされてしまう。

私は薄れる意識を無理矢理に集中させた。

そして…!!

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