魔女の瞳Ⅱ
学校に到着し、私と修内太は校舎二階の、階段に一番近い教室に入る。
席まで隣同士というのは、内緒話に都合がいい。
「で、昨日の課題、できた?」
私が修内太にそれとなく尋ねてみる。
うっ、と詰まるような声を上げて、修内太は難しい顔をした。
「一時的になら何とか…でも無理だぞ、障壁の常時展開なんて」
「そうよね、貴方の魔力量じゃね…」
実は現在も、彼への魔術講座は続いている。
取り急ぎ必要最低限の知識は叩き込んだので、現在は折を見て教える程度だけど。
あれば何かと便利、という知識を少しずつ教えているのだ。
今回は『障壁』の展開の仕方。
それ自体はそれ程高度な技術ではない。
魔力を体外に放出させて、不可視の防壁を作り出す。
私くらいの魔女になると無意識のうちにでも攻撃を受けると自動的に展開するのだけれど、それでは随時魔力を垂れ流し状態になる。
魔力量の少ない修内太では、障壁だけで魔力を使い切りかねないのだ。
「攻撃を受けた時にだけ展開させるしかないわね。素早く展開できるように反復練習、忘れないで」
「了解」
修内太は鞄を机の横にかけ、椅子に座る。
最初の頃は教室で魔術の話なんて…と人目を気にしていたものだが、彼もだんだん肝が据わってきたようだ。
席まで隣同士というのは、内緒話に都合がいい。
「で、昨日の課題、できた?」
私が修内太にそれとなく尋ねてみる。
うっ、と詰まるような声を上げて、修内太は難しい顔をした。
「一時的になら何とか…でも無理だぞ、障壁の常時展開なんて」
「そうよね、貴方の魔力量じゃね…」
実は現在も、彼への魔術講座は続いている。
取り急ぎ必要最低限の知識は叩き込んだので、現在は折を見て教える程度だけど。
あれば何かと便利、という知識を少しずつ教えているのだ。
今回は『障壁』の展開の仕方。
それ自体はそれ程高度な技術ではない。
魔力を体外に放出させて、不可視の防壁を作り出す。
私くらいの魔女になると無意識のうちにでも攻撃を受けると自動的に展開するのだけれど、それでは随時魔力を垂れ流し状態になる。
魔力量の少ない修内太では、障壁だけで魔力を使い切りかねないのだ。
「攻撃を受けた時にだけ展開させるしかないわね。素早く展開できるように反復練習、忘れないで」
「了解」
修内太は鞄を机の横にかけ、椅子に座る。
最初の頃は教室で魔術の話なんて…と人目を気にしていたものだが、彼もだんだん肝が据わってきたようだ。