WHY
 とにかく号泣をした。  



人前なのにもかかわらず、わんわん泣いた。とにかく泣いた。  



枯れ尽きるまで…  真由美と抱き合いながら、お互い自分を責めたに違いない。

 「救えたに違いない。」と。   

数知れない人の数だが。、自分で命を絶つ事を断罪とする  キリスト教を思い出した。  

なぜそこまでしなかったのか。亡くなったら一生元に戻せないんだよ。  



生まれ変わっても誰も前が”鈴木”だったなんて知らないんだよ。分からないんだよ。  

そんな事を訴えかけたかった。でも、届かないもどかしさがこみ上げる。  



私も自分を責めた。リストカットで責めた。

これは、逃げる為。

今の自分から。  

気持ちがなぜか楽になる。それだけ。  



つらい所からの唯一の逃げ道だった。だから、死にたいとかそういうことではない。  

でも”鈴木”は死んだ。

もう今もいない。こ



れだけ、正直つらいことだとは予想すらできなかった。   

もうこの経験はしたくない。病気とか自然な現象では仕方ない。

人はいづれ死ぬのだから…  自分で命を絶つことこれはかなりつらい事だ。



 もう本当にしたくない。確実にしたくない事だ。  そう決心した。



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