WHY
目の当たりにして、本当に自分でもリストカットは止められるのだろうかは  

まだ分からないが、確実に自分で自分を戒めることはやってはいけないことと  

教えてくれたのは”鈴木”だ。   



泣き続けて、すでに夕方になり、お通夜の始まる1時間前になった。  



私たちはお母さんに呼ばれて、お家に呼ばれた。  



集会所より程近い、場所だ。  



入り口にはお母さんの趣味らしく、

ガーデニングの花でいっぱいでベランダにも 多く飾られえいた。  



入り口を開けると、玄関先すぐ右が”鈴木”の部屋だった。  



誰もいない家は静まり返っていたが、鈴木の部屋も同様だった。  

奥にデスク、すぐ脇にはベットと4畳半の部屋にしては、広く感じた。



 デスクの上にはノートと教科書が置かれていて、さっきまでそこに居たような匂いがした。   




「じゃあ、私は集会所に戻るから、少しゆっくりしてからきてね。鍵置いていくから。」   

お母さんは立ち去った。  



お母さんはまだ遺書らしきものはまだ見つかってないとさっき言っていたので、  



デスクの上にあるノート類をぱらぱらめくっていた。  

その脇には日記帳らしきものを発見した。  




「1994 diary」と書いてあった。   

人のノートを勝手に見るのは気が引けたが、  

「ごめんね。」と一言添えて、ページをめくった。




 そこには鈴木らしく、1/1からちゃんと綴られていて、B5サイズのノートに  

びっしり文字が埋められていた。   



私たちはとにかく最後のページを気になり、最後までめくり続けた。   




■8/5(FRI)=3人で!  という表題になっており、この日だけ3ページに渡っていた。  





 もう小1時間たっていたので、そのノートを拝借して、私たちは集会所に向かった。
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