WHY
 完全に集会所の建物が闇に包まれた中で、執り行われた。




 そのときになれば、もう学校関係者各位、先生、生徒も集まり、

 大規模なお通夜となった。その席上では、前には”鈴木”のお父さん、お母さん、

 

 小さな弟が席に着き、お父さんは鋭く前を向いて、

 お母さんは終始下を向いたまま、弟はキョトンした




 表情で、いい子にして、席に付いていた。


 
 お経が流れる中、参列者のお焼香が始まり、それぞれの表情を垣間見た。




 先生たちは全員参列で、中学時代だったと思われる先生まで来ていた。




 生徒たちは総勢300名まで膨れ、”鈴木”の人柄を感じた。




 私たちの部員も集まって、私になんで、どうしてという質問が集中した。



 次期エース、キャプテンになる人材が居なくなるわけだから、それは大きな出来事だ。

 
 式は進み、挨拶に移っていた。




 それぞれの挨拶は決まりきった話で、少し飽き飽きになるころに、私の順番が来た。




 結局文章が考えられず、いきなり本番となったわけだが、妙に落ち着いていた自分が

 不思議だった。




 
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