WHY
話すにあたって、本当の事を話そうか、どうか迷ったがこれはやはり事実を伝えるべきと

 思い、みんなを驚かせることになるのは分かりきっていたが、それでも事実を
 
 闇に葬られるのはやはり違うと感じていた。

 事前に話をし、親御さんの了承を得られたのが、私にとって救いだった。

 
 静かに前に進み、一礼をし、話をし始めた。




 みんなが注目している事に気が付いたが、お構いしだった。




 「この度は、鈴木という大事な後輩を亡くし、非常につらい心境でいます。
  みんなもそうだと思います。人が亡くなることはこれほどまでに悲しくて、
  どうしようもない気持ちになっている事は同じだと思います。


  でも、今回の事は自分で死を選び、自分で決断をし彼女は旅たちました。

  非情なものです。




  実は昨日私たちは仲のいい友人真由美と鈴木で久々にはじけました。

  学校帰り、みんなでお茶して色々な話をしました。


  その前からなんですけど、実は彼女は、ずっと本人は黙っていたんですけど、
   ”レイプ”をされ、お腹には誰とも知らない子供を宿してしまいました。」




 全員が固唾を呑んだ。一瞬凍りついた空気になったが、やはり人の話し、
 興味を持つ者が居て、それもそれで腹正しかった。







 私は続けた。







 
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