WHY
しかし、彼女はまだ悩んでいました。




  大事に大事に育てられてきた、お父さん、お母さんを裏切ってしまったと
  思い込んだに違いまりません。




  そんなことないよと励ましては居ましたが、それでも結論はすでに話をした時に
  自分で決めてしまっていたのかもしれません。




  それは、やはり”鈴木”だからだと思います。




  彼女であれば、こんな責任の取り方はしていないと思います。




  彼女の中では、結果処理できなかった内容だったと感じます。




  自分たちも、支えきれずに居た気持ちはあります。


  あのことほど、芯のしっかりした子は居ません。



  後輩でも頭の上がらないところもありました。




  そんな中でのこの出来事です。




  私は、その事実を知り、驚きましたが、自分は頼られていると感じ
  うれしくなったことを覚えております。




  ”鈴木”は旅立ちました。永遠の旅に出ました。彼女を忘れることはないです。




  一生彼女への気持ちは、生き続けます。




  彼女へいいたいことがあります。




  一つ、私たちにごめんなさいはなしだぞぉぉぉ~


  鈴木が選んだ道、私たちは受け止める、今を受け止める。



  だから、今までありがとうの感謝の気持ちでちゃんと向こうでも
  生き続けるんだぞぞぞぞぞぉ~……」




 マイクから流れる音がいつまでも響いていた。


 やりきった感はあったが、本当に今のこの素直な気持ちを”鈴木”に届いてくれと
 切実に願った。




 鈴木という存在もさながら、人間の尊厳はなんなのかの部分を確実に自分に刻み込み、

 生きとしいける者の愛しさと再認識をした、出来事だった。
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