WHY
現時点では、おなかの中の子のDNA判定は容易ではなく、事故直後の

 死亡解剖で明らかになるのはあと1週間を要すると話をされて、詳しくは

 そこかららしい。




 でも、事件性を感じてくれた警察には少し感謝をしたいと思った。

 捕まった所で被害者は死んでいる。罪をつぐえないし、責任も取れない。

 


 
 ようやく火葬も終わり、私達は呼ばれた。



 いよいよ変わり果てた姿で出てくる。




 2回目のショックを受けるのだ。




 出てきた鈴木は、綺麗な骨の姿で、どこと泣く横に向いて寝ている形だった。

 もう、行ったんだね…







 大きな空へ、違う世界へ旅立ったと思うと、なんかすこしほっとしたような感じがした。


 


 これで苦しむ事はなくなった。ようやく安堵の荷がおりたのだろうか。



 でも、あの日記ではもっと行きたかったという文面が殴り書きで書かれており、

 そのときの心境などものすごく読み取れた。




 ついさっきまでいたのに、なんでどうしてと思う気持ちと、あの子の事を

 思うと、これでよかったのかなと思うのと2面性があり、なんか訳の分からなく

 なってしまっている。




 
 私達は骨を拾いに鈴木の近くまで寄っていった。




 丁寧に係りの人が骨の説明をしてくださっている。




 どこの骨なんぞは関係ない。ここにはもういないのだらから。








 私も橋で拾いあげて、そっと骨壷に入れた。陶器でできた容器には名前が入っており、

 「清海へ永遠に…」




 色々な意味が詰まっていると感じたが、お父さんのお考えあっての事だと思う。




 永遠なんて、本当にあるのだろうか?つい考えてみたが、すぐには分からない。




 多分、もう少し大人になれば、分かるのかもしれない…

 


 
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