WHY
 外を眺めながらひた走る電車の外を眺めながら、少し暗い気持ちになった。




 それを横目に心配そうに見る彼が心強かった。

 
 すこし、自分にも”あいつ”との一連の関係を照らし合わせてみた。




 まだまだ、心の傷は治らない。




 時々どうしようもないくらいの感情が湧き出てくる。




 早く、どうにかしないとあせりめいたものもあり、何もできていない自分が居た。




 正直、この時点では軽くしか考えず、どっちにしてもリストカットさえすれば

 気持ちは楽になれるのだから、心配はないまで思えた。

 


 でも、自分も傷つければ誰かが悲しむことは知っていた。いや知ることができた。


 それを教えたくれたのは紛れもない”鈴木”だ。


 だから無駄にはしたくなかったのだが、方法がなかった。




 見えない出口で苦しむ自分は本当に哀れだ。



 悲劇ではなく、情けないまで思えた。


 
 電車は鎌倉の駅に着き、目の前の「茶菓子屋」でお茶をする事にした。


 「ん~なんかいい天気やなぁ~…」




 「うん…、本当に気持ちいいなぁ~。」




 へぇ~少々関西交じりなんだと思ったが、聞いていて変ではなかった。

 


 「なぁっ そういえば彼氏とはいるの?」



 「えっ、なに急に??居るわけないでしょ!!なんでそんなん急に聞くわけなのぉ~??」




 「えっ、だってきになるでしょ、こうやって二人で一緒に居るわけだし…」

 




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