WHY
~まちびと…~
 駅に着くと真っ先に、公衆電話を探した。



 さすがに横浜駅だということで、一杯あったが、横一列にある

 10数台の公衆電話は全て埋まっており、何分か待った。



 やっと自分の番にまわり、急いで打ち込んだ。




 「イマツイタヨ。ソゴウノトケイダイノマエニイルネ」



 「ツイラタ、ベルチヨダイネ」




 簡単な文章だったが、これで届いたろうと思い、

 西口とは逆の東口に向った。

 



 あちらこちらで、補修工事がしており、やっと、柱組ができており、

 少し異様な雰囲気だった。



 人はごった返し、直線距離でいえば、200mくらいだったが、

 人を避けて通ったので、かなりの時間を要したと思う。

 


 でもその時間より、恐怖の方が先だった。



 誰もが自分を見ている、そんな怖い事を思いながら、身を小さくして

 歩き抜いた。




 
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