WHY
 いつしか寝てしまい、夕飯も食べずそのまま次の朝まで深い眠りに久々についた。



 とても居心地が良くて、なんか幸せ一杯な眠りだったが、目が醒めたら現実は目の前にあった



 ”あいつ”だった。



 「どうだ、良く寝れたか?昨日は悪かったな…」



 そういい終わると、豪快に笑い出す。まるで、自分の演技が満足だったといわんばかりに。



 それを見るのも嫌だし、それを感じるのも嫌だった。



 「ええっまぁ~。」



 十分過ぎるほど、そっけない態度をとろうかと思ったが、また逆上されるのも嫌だったので、



 「おかげさまで、もう大丈夫です。」



 と努めて明るく振舞った。

 
 「そっか、良かった、良かった。じゃあこれで、俺はこれから教育委員会に行ってくる。」



 と少し寂しげな影のある、声で小さく呟いて出て行った。



 呆気にとられた私はすぐには事情が飲み込まれなかったが、それでも冷静になれば、



 昨日の今日か…と判断できた。



 さすがに、昨日はあそこまでの事をしでかしたので、勿論責任はあるが、果たしてお咎めが



 あるのだろうか。私はないと思った。



 
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