WHY
本当に好きな人にはこうやって、優しくしてくれるものだ。好きな人であれば



 尽くしたいと思うのが切だと思った。



 時には厳しく、時には包んでくれる、今のところ友人である圭太は誇らしい。



 でも、恋愛に発展するか否かは分からない。



 好きだという気持ちが、まだ心の表面にはにじみ出てきていないからだ。





 でも、本当にここの水餃子は美味しい。中までスープたっぷりで、美味だ。



 ”今となれば無くなってしまったのだが…”


 続いて川崎球場まで歩く事にした。両端には緑が生い茂り、それが木漏れ日となり



 夏の暑さをさえぎってくれる感じがした。優しかった。

 
 丁度日曜日だったので、フリマ(フリーマーケット)が開催しており、とても混んでいた。



 中まで車が入れる球場でのフリマは、ここだけと聞いて各地の色々なナンバーがあり、



 面白かった。



 そこで、一つの大きなトランクに目が留まった。



 旅行用で、大きな子供1人入れるようなトランクで、昔の映画にも出てきそうな感じだ。



 その中で、昔おじいちゃんと”旅行ごっこ”をして、良くお母さんに、そこは人が入るところ




 じゃないでしょと言われていたのを思い出した。確かに人が入るところではないが、



 おじいちゃんは、ほらっ人間がどこに行くにも不便にならない様にして作ったのも



 人間じゃ。そこは、やはり工夫と創意の塊だな、人間は…。



 おじいちゃんの発する言葉は妙に説得力があり、大好きだったのだが、


 
 今はどこにいるか分からない。というのも、登山にでかけ、今も行方不明扱いなのだ。



 ん~そんな哀しい思いもあり、なかなかおじいちゃんのいい思い出を思い出すたびに、



 辛くなるので、いつも途中でやめていた。


 思いでは時とし美化される。でも、思い出は変わらない。一度経験してしまえば、
 良いも悪いも
 
 にもなる。全然いい思いなんて…



 
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