WHY
浜辺に着いた時はもうすでに、淡い夕日が海に照りだされていて、何ともいえない
 
 壮大な自然を垣間見る事が出来る。



 照らし出されている海は、呼吸をしている様にもみえる。この瞬間が大好きだった。



 夕日に向かって「バカヤロー!」と叫んでいた青春ドラマがあったのは少し理解



 できないが、自分はいつもありがとうと言いたいくらいだった。




 
 隣には好きな人ではないが、仲間がいる事も幸いしたのではないかと思う。

 
 この間はこの海岸ではない。かなり、鵠沼よりだったが、敢えて、圭太には言わなかった。



 海をみたかったので、ここで十分だ。



 生物は海から生まれ、海に育まれてここまで、進化した。



 考える事も、感情を表に出す事も出来る。



 そんな素晴らしい能力が私には苦痛の時もある。この1日をどう自分で感じ、



 明日から生きられていくか、少し立ち止まる時間が必要だった。



 でも、感情の大波は突如として私を襲う。私が、どうのこうのしても始まらない。



 いかに自分を抑えようとしても、どうしても出てしまう邪悪な感情と行動。



 いけないことは分かっている、でも自分が誰になるのかも、誰なのかも分からない。



 誰にでも、わからない。この孤独と思えない、平常心は時として、毒となる。



 今はこの海のようになりたい。海へ帰りたいとも思う。




 
 この思考は、誰にも理解は出来ない。
< 59 / 203 >

この作品をシェア

pagetop