WHY

～こくはく…～

次の日は土曜日で学校が休みで、午前中から練習だった。
久々のメンバーだけの練習で気を吐いた。紛らわすつもりはないが、いまがこれが唯一集中し自分自身をわすれさせてくれるものになった。
　”あいつ”がいないのもすくいだったのかもしれない。コートの中は聖域で、自分が2番、チームをどのように行かすかが1番であるから、きつい言葉も同じメンバーには愛情として捉えてもらいたかった。
　練習は午前中に終わり、久々”あの人”、”あの人”とは久下先生で国語の先生で、自分が書道で学校の推薦で県内の大会で最優秀賞をとったときに後押しをしてくれた先生で、色々話すうちに親しくしてくれた先生だった。

　高校の裏門からでると、近くの団地の中にショッピングセンターがあった。そこの中の、「ラビット」という、大きいパフェがうちの部員に大人気で、そこで待ち合わせをした。
久下先生はすでに待っていた。今日は必ずあの話を聞いてもらい、なんとか解決したかった。
　聞くだけで、事が収まらないが、自分で解決する術をみつけたかったのかもしれない。

　静かに話をした。最後まで、ここ数日間にあった話をストレートに話をし、事細かに話をした。先生は、時折みせる微笑みと、真剣な眼差しで見てくれていた。それが、なによりも有難かった。
時間にすると2時間は話をし、それだけ中身のある話で、パフェを食べながらの話しではないので、後に頼んでよかったと店員さんに迷惑をかけなくてよかったと思った。

　久下先生は怒りとも、しかも複雑怪奇な顔、困惑した様子で考えてくれた。私は、事実を伝えただけで、考えや感情はなかった。
一言口を開いてくれた、
　「で、どうしたい？」優しい眼差しで口を開いた。とても、ソフトな音調で。