WHY
公園に着いたやりとりがそれだけだったが、

何回も読み返してはにやける自分は バカかと思うくらいだったが、

小さな幸せかもしれない感覚を覚えた。  




公園の帰りは早かった。

家に着くと、速攻食事も取らずに、部屋に閉じこもり、 子機をいじくりまわしていた。  







「イマカエッタヨ」 

「オカエリ、キュウデワルインダケド」 

「ン、ナニ?」 

「コンドマタアエルカナ?」  







急な展開で、とまどいながら、子機を小刻みに揺らせた。  







「エ、イイケド、ナンデアイタイノ?」 

「リユウハトクニナイヨ、アイタイダケ」  







前にもなんか、こういったやりとりをした記憶を読み返した。 

「理由はない」この一言、好きになる感覚と同じだ。 




でも、本当に自分なんかでいいのか。

こんな汚れた体でいいのか、そう葛藤した。 実際に聞いてみた。  







「ホントウニワタシナンカデエイイノ?」 

「ワタシナンカデナンテ…コチラコソ」  







なんでだろう、会いたいのはお礼だけ、それとも話しをしたいだけ、珍しいだけ。 

そんなことを頭がぐるぐる駆け巡った。  







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