サ ボ テ ン
ゴミ捨て場…考えなかった
「あんじゃん。」
ポンポンと靴をはたいて私に差し出してきた。
『あった…よかった』
手を伸ばすと
「誰のおかげ?」
ヒョイっと目の前で靴を取り上げてしまった。
身長高いから届くはずもなく
『あ、あり…が…と』
「ばーか」
ふわっと笑い、頭をぽんぽんしてくれた
ドキ。
むかつくけどドキドキした。
そして、靴も渡してくれた。
『名前…私はサボテンじゃなくて榊原はなです。あなたは?』
「サボテンのがあってるよ。俺は月岡凪灑」
『月岡くん…』
『ありがとうございました。月岡くん』
今度はちゃんと目を見てお礼を言った。
月岡くんは目をそらして
「おぅ…後ろ乗ってく?次のバスまで結構待つでしょ?」
『え、大丈夫です…』
「いいから」