ザリス
月日は流れあの夜から13年も経った。

今はジェシカも12歳となり

もうすぐ13歳の誕生日だ。

彼女はとても活発だが

心優しい少女へと育った。

「パパ!何してるの?」

書斎で何かを作業しているパールに

後ろから抱きつきながら聞いた。

「来週にやるお前の誕生日のプランを練っているんだ」

「へぇー。どんなの?見せて!」

「ダメだ。それは来週のお楽しみだ。去年よりも、もっとすごいのをやるからな」

「でもパパ、去年は仕事で忙しくてそんなのやらなかったじゃない」

「だから今年は盛大に祝うんじゃないか」

「まぁ無理しないでね」

書斎を後にし、庭へ出ると木の陰の前に

誰かがいるような気がして

近づいていこうとした瞬間に

「ジェシカ!」

と呼び止められてしまった。
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