まっしろな遺書
 2015年5月6日

 いつものように4時を過ぎると子供たちが十三の部屋にやってくる。
 バッグモンスター。

 それが、十三たちの絆なのか、毎日来ている。
 十三たちは、wi-fiが無い病院の室内環境なので特殊バケモンが入手できない。
 なのに美穂は、ちゃっかりと入手している。
 十三は、なんか悔しかった。

 十三も外に出た時にでもやるかなと思ったのだが、外に出る気にもなれない。
 花粉症で目がかゆい。

 たまには、太郎のいる喫茶店に行くのもいいかもな。

 十三は、そう思ったが、子供たちがいるので外には出れない。

「なぁ、充」

「なんですか?
 元太君」

「俺のコラッタレベル100とお前の色違いギャロップ交換しようぜ?」

「嫌です」

「ケチ」

「ケチじゃないです。
 色違いギャロップを出すのに僕がどれだけ苦労したかわかります?」

「コラッタを100にするのもかなり苦労したぞ?」

 そうだろうけど、なんだかな……

 十三は、そう思い苦笑い。

「ギャロップの苦労に比べればそんなの楽勝ですよ」

「まぁ、いいや……
 俺も頑張って出すから」

 元太は、舌打ちをするとDSを睨んだ。

「ねぇ、充君。
 私、ミュウが欲しい」

 歩が、そう言うと充君は、首を横に振った。

「ダメです」

 充は、即答した。

「私、ミュウツー……」

 愛が、そう言うと充君は首を横に振る。

「残念」

 愛は、残念そうに椅子に座った。

 
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