まっしろな遺書
 2015年5月8日


 十三は暇で暇で仕方がなかった。
 子供たちは授業。
 美穂は仕事。

 そして、朝の5時過ぎにメールが来たためそれで目が覚めて、眠れなかったので起きた。
 十三は一度起きるの眠れない。
 何故なら十三は、睡眠障害だから、睡眠薬なしでは眠れない体になったのだ。

 十三は眠気冷ましに公園でも散歩することにした。
 公園を散歩していると、山本がベンチの上でぼーと座っていた。

「あ、山本さん。
 おはようございます」

「ああ、十三君か。
 おはよう」

 山本は、元気が無い。

「なんかあったんですか?」

 十三は、ストレートに聞いた。

「明日、娘の……夢叶の婚約者が来るんだ」

「そ、そうですか」

 山本は気まずいのだろう。

「なぁ、十三君。
 お願いがあるのだけどいいかい?」

「お、俺に出来ることなら……」

「一緒に会ってくれないか?」

「へ?」

「夢叶の婚約者と一緒に会ってくれないか?」

「ええ……?」

「会うだけでいいんだ」

「俺なんかが立ち会ってもいいんですか?」

「ひとりじゃ不安なんだ……」

「奥さんは?」

「妻ももちろんくる。
 だけど、妻は娘の味方なんだ」

「そ、そうなんですか……」

「一緒に来てくれないか?」

 十三は、山本に世話になっている。
 だから、受け入れることにした。

「わかりました」

 十三は、誰かの力になりたい。
 十三はそう思ったのだ。
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