まっしろな遺書
2015年5月11日
雨が降りそうで降らない天気。
曇天。
十三は今日。心療内科で診断を受けた。
手足の痺れ、眩暈、その辺のことを伝え、現状維持の診断を受けた。
十三には、まだ脳腫瘍だって診断されてもあんまり実感がなかった。
頭痛や吐き気もあるが、それほど酷くはない。
今日も吐き気と眩暈。
今日は、フラフラつくから散歩も出来なかった。
病院、ベッド、白い天井。
これ以上暇なことってあるのだろうか……?
「誰か美少女が現れて、俺の相手でもしてくれないかなぁー」
十三は、小さな声で呟く。
「あら、美少女じゃなくて悪かったわね」
美穂が、十三の隣で横になっていた。
「いつの間に?
美穂、こんな時間にどうしたの?」
時計の針は、16時を過ぎたころだった。
「仕事が早く終わったので帰って来ちゃった」
「そっか……」
「うん。
で、なんの相手をすればいいの?
バケモン?」
「今は、バケモンは、いいや……」
「じゃ、何がしたい?
エッチ?」
「えー?」
十三は目を丸くさせる。
「童貞捨てたいんでしょ?
なら、今日捨てない?」
「童貞は、捨てたいけど……
そう言うのって好きな人同士がするわけで……」
「私は、十三のこと好きだよ?
十三は、私のこと嫌い?」
「嫌いじゃないよ」
「好き?」
「えっと……」
「嫌い?」
「……好き」
十三は、小さく答えた。
「じゃ、やろう」
美穂が、十三の体を力強く抱きしめる。
美穂の音が聞こえる。
あぁ……
俺は、今日童貞を失うのか……
十三は、そう思って目を閉じる。
視線を感じる。
美穂も視線を感じたみたいだ。
視線の方を見ると愛がいた。
愛は、すぐにその場を去った。
「あー」
「見られちゃったね。
今日はやめとこう」
美穂が、そう言って苦笑い。
そうして、十三は今日も童貞を捨てれなかった。
雨が降りそうで降らない天気。
曇天。
十三は今日。心療内科で診断を受けた。
手足の痺れ、眩暈、その辺のことを伝え、現状維持の診断を受けた。
十三には、まだ脳腫瘍だって診断されてもあんまり実感がなかった。
頭痛や吐き気もあるが、それほど酷くはない。
今日も吐き気と眩暈。
今日は、フラフラつくから散歩も出来なかった。
病院、ベッド、白い天井。
これ以上暇なことってあるのだろうか……?
「誰か美少女が現れて、俺の相手でもしてくれないかなぁー」
十三は、小さな声で呟く。
「あら、美少女じゃなくて悪かったわね」
美穂が、十三の隣で横になっていた。
「いつの間に?
美穂、こんな時間にどうしたの?」
時計の針は、16時を過ぎたころだった。
「仕事が早く終わったので帰って来ちゃった」
「そっか……」
「うん。
で、なんの相手をすればいいの?
バケモン?」
「今は、バケモンは、いいや……」
「じゃ、何がしたい?
エッチ?」
「えー?」
十三は目を丸くさせる。
「童貞捨てたいんでしょ?
なら、今日捨てない?」
「童貞は、捨てたいけど……
そう言うのって好きな人同士がするわけで……」
「私は、十三のこと好きだよ?
十三は、私のこと嫌い?」
「嫌いじゃないよ」
「好き?」
「えっと……」
「嫌い?」
「……好き」
十三は、小さく答えた。
「じゃ、やろう」
美穂が、十三の体を力強く抱きしめる。
美穂の音が聞こえる。
あぁ……
俺は、今日童貞を失うのか……
十三は、そう思って目を閉じる。
視線を感じる。
美穂も視線を感じたみたいだ。
視線の方を見ると愛がいた。
愛は、すぐにその場を去った。
「あー」
「見られちゃったね。
今日はやめとこう」
美穂が、そう言って苦笑い。
そうして、十三は今日も童貞を捨てれなかった。