まっしろな遺書
2015年5月13日
十三は、何をする訳でもなく散歩することにした。
すると公園のベンチで、しょんぼりしている山本を見つけた。
「山本さん、どうしたんですか?」
十三は、小さく山本に尋ねた。
「娘の結婚式の日程が決まったんだ」
「へぇ……」
「おめでとうございます」と言えばさらに落ち込むだろうと思った十三は、あえてそれを言わなかった。
「6月の13日だ……」
「もうすぐですね」
「ああ……」
「……寂しいですね」
「そうだね」
山本は、苦笑いを浮かべた。
「……元気出してください」
十三は、そう言ってベンチに座る。
「そうだね。
めでたい事なんだしね……」
山本は、ため息をつく。
「会おうと思えば、いつでも会えるんですし気楽に生きましょうよ!」
「そうだね。
月に2回は、会いに来てくれると言ってくれている。
寂しくはない、寂しくはないが……やっぱり寂しい」
「正直、俺、山本さんの娘さんが羨ましいです」
「どうしてだい?」
「寂しいって思ってもらえる家族がいるから……」
「十三君にも、ご両親はいるだろう?」
「いますけど、もう数年連絡取ってないです。
メールも電話も無視されてますから……」
十三は、苦笑いした。
「そっか……」
山本は、空を見上げる。
「はい……」
「ケンカでもしたのかい?」
「まぁ、そんなところです」
「家には戻らないのかい?」
「そんな気分にはなれません」
「そっか……」
「はい」
虚しい空気が、その場に留まる。
ただ、ただ時間が流れ、昼食の時間が来たので、十三たちはそれぞれの部屋に戻った。
十三は、何をする訳でもなく散歩することにした。
すると公園のベンチで、しょんぼりしている山本を見つけた。
「山本さん、どうしたんですか?」
十三は、小さく山本に尋ねた。
「娘の結婚式の日程が決まったんだ」
「へぇ……」
「おめでとうございます」と言えばさらに落ち込むだろうと思った十三は、あえてそれを言わなかった。
「6月の13日だ……」
「もうすぐですね」
「ああ……」
「……寂しいですね」
「そうだね」
山本は、苦笑いを浮かべた。
「……元気出してください」
十三は、そう言ってベンチに座る。
「そうだね。
めでたい事なんだしね……」
山本は、ため息をつく。
「会おうと思えば、いつでも会えるんですし気楽に生きましょうよ!」
「そうだね。
月に2回は、会いに来てくれると言ってくれている。
寂しくはない、寂しくはないが……やっぱり寂しい」
「正直、俺、山本さんの娘さんが羨ましいです」
「どうしてだい?」
「寂しいって思ってもらえる家族がいるから……」
「十三君にも、ご両親はいるだろう?」
「いますけど、もう数年連絡取ってないです。
メールも電話も無視されてますから……」
十三は、苦笑いした。
「そっか……」
山本は、空を見上げる。
「はい……」
「ケンカでもしたのかい?」
「まぁ、そんなところです」
「家には戻らないのかい?」
「そんな気分にはなれません」
「そっか……」
「はい」
虚しい空気が、その場に留まる。
ただ、ただ時間が流れ、昼食の時間が来たので、十三たちはそれぞれの部屋に戻った。