まっしろな遺書
 2015年5月14日

 十三は病院内を散歩をしていた。
 すると調理室に1人の影が……
 十三が入院している病院は、好きなときに申請をすれば調理室を使うことが出来る。
 料理が趣味な人も材料さえ揃えれば、誰だって料理を作れるのだ。

 十三は、調理室へ入る。
 するとそこには、山本の姿があった。

「山本さん、どうしたんですか?」

 十三はは、声をかけた。

「十三君か……
 ちょっと新作のたこ焼きに挑戦しようと思ってね」

「そうですか……」

「十三君、暇なら一緒に、究極のたこ焼きを作ってみないかい?」

「え?」

「私に、もしものことがあったら……
 十三君に引き継いでもらいたいんだ……」

「もしものことって……?」

「私もそう長くないらしい」

「え?」

「だから、たこ焼き作りを覚えてくれないかい?」

「わ、わかりました……」

 十三は、山本の余命のこともきになったが……
 ここはひとつ自分磨きの為に究極のたこ焼きを極めようかと思った。

 十三は、山本と一緒にたこ焼き作りに挑戦した。

 山本に筋があると褒められた。
 そうして、楽しいたこ焼き作りが、はじまった。

 これから、毎日たこ焼きを作るらしい。

 これで、毎日退屈しなくて済むぞ……

 十三は、少し嬉しくなった。
 それにたこ焼きづくりは、楽しい。
 たこ焼き作りの後の残ったたこ焼きは、看護師さんたちに別けた。

 みんな、美味しいと褒めてくれた。

 十三は少し嬉しかった。
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