まっしろな遺書

　2015年5月18日


　美穂は有給を取り今日は仕事が休み。
　十三は、山本との、“十三のたこ焼きマスター大作戦”を実行している。

「たこ焼きの生地の味は、もうほぼ完璧だ。
　だが、問題なのは、焼き加減とひっくり返すタイミングだね」

　山本がそう言って出来上がった、たこ焼きを頬張る。

「歩、お兄さんのたこ焼きも好きだよー」

　歩が、たこ焼きを食べながらそう言ってくれた。

「お、ファンがついてくれたじゃないか。
　この調子でファンを沢山ゲットして、たこ焼きマイスターになるんだ」

「マイスターって……」

「ここは、たこ焼きの達人の方がよかったかい？」

　山本が、そう言って笑う。

「太鼓の達人みたい！」

　愛が、クスリと笑う。

「お兄さん、たこ焼きマイスターがんばー」

　隼人が、棒読みで言った。

「が、頑張る……」

「たこ焼きマイスターになったら、何かご褒美をあげなくちゃね」

　美穂が、そう言って微笑む。

「ご褒美ってなんだ？」

「エッチなこと？」

　愛が、美穂の目を真剣に見つめる。

「エッチって……？」

　充が、首を傾げる。
　さて、この年齢の子になんて説明すれば……

「もう、おっぱい揉み揉みはやったのか？」

　元太が、ニヤリと笑う。

「さ、さぁ……」

「私……」

　愛が、何かを言いかける。

「さて、たこ焼き作りを再開しよう」

　十三は、それを阻止すべく次の言葉を放つ。

「そうだね。
　このまま話すのも有意義だが、たこ焼き作りを再開しよう」

　山本は、そう言って俺の肩を軽くたたく。

「さて、今日も1日たこ焼き作りを頑張ろう！」

　十三は、そう言ってごまかした。