まっしろな遺書
2015年5月20日
山本の様態は今日の朝、安定した。
でも、次倒れると危ないことを十三たちは知らされた。
そして、山本は、意識はあるモノの歩くことが困難となった。
十三と美穂は、朝一に山本さんのお見舞いに行ってきた。
「やぁ、十三君」
「山本さん……」
「こんな姿になってしまったよ」
山本は、苦笑いを浮かべる。
十三は何を言ったらいいのかわからない。
「大丈夫ですか?」
大丈夫じゃないのはわかっていた。
しかし、この言葉しか思い浮かばなかった。
「ああ、大丈夫だよ。
ありがとう」
山本は、そう言って笑う。
そして、言葉を続ける。
「十三君、たこ焼き作りは順調かい?」
「え?」
「昨日もちゃんと練習したかい?」
「いえ……
昨日は……」
「ダメじゃないか……
毎日練習しないと立派なたこ焼きマイスターになれないぞ」
「……はい」
「私が生きている間に、たこ焼きマイスターになってくれよ」
「……え?」
「私は、もう長くない。
早く立派なたこ焼きマイスターになってくれ……
そして、子供たちの笑顔を護ってやってくれないか?」
「……はい」
十三は正直、自信はない。
でも、立派なたこ焼きを作れるようになりたい。
それが、山本さんの笑顔に繋がるのなら……
十三は、深くそう思った。
「十三、行くわよ」
美穂が、十三の腕を引っ張る。
「行くって何処へ?」
「調理室よ!
1秒でも早くたこ焼きマイスターになるの!」
美穂の目が、涙で溢れていた。
「でも……」
「私のことはいい。
早く、たこ焼きマイスターになってくれ」
山本が、ニッコリと微笑む。
「わかりました。
今日の夕方、たこ焼き持ってきます!」
「ああ。
楽しみにしてるよ」
山本は、微笑んだ。
子供たちだけじゃない、山本さんの笑顔も護るんだ!
十三は、心の中で強く誓った。
山本の様態は今日の朝、安定した。
でも、次倒れると危ないことを十三たちは知らされた。
そして、山本は、意識はあるモノの歩くことが困難となった。
十三と美穂は、朝一に山本さんのお見舞いに行ってきた。
「やぁ、十三君」
「山本さん……」
「こんな姿になってしまったよ」
山本は、苦笑いを浮かべる。
十三は何を言ったらいいのかわからない。
「大丈夫ですか?」
大丈夫じゃないのはわかっていた。
しかし、この言葉しか思い浮かばなかった。
「ああ、大丈夫だよ。
ありがとう」
山本は、そう言って笑う。
そして、言葉を続ける。
「十三君、たこ焼き作りは順調かい?」
「え?」
「昨日もちゃんと練習したかい?」
「いえ……
昨日は……」
「ダメじゃないか……
毎日練習しないと立派なたこ焼きマイスターになれないぞ」
「……はい」
「私が生きている間に、たこ焼きマイスターになってくれよ」
「……え?」
「私は、もう長くない。
早く立派なたこ焼きマイスターになってくれ……
そして、子供たちの笑顔を護ってやってくれないか?」
「……はい」
十三は正直、自信はない。
でも、立派なたこ焼きを作れるようになりたい。
それが、山本さんの笑顔に繋がるのなら……
十三は、深くそう思った。
「十三、行くわよ」
美穂が、十三の腕を引っ張る。
「行くって何処へ?」
「調理室よ!
1秒でも早くたこ焼きマイスターになるの!」
美穂の目が、涙で溢れていた。
「でも……」
「私のことはいい。
早く、たこ焼きマイスターになってくれ」
山本が、ニッコリと微笑む。
「わかりました。
今日の夕方、たこ焼き持ってきます!」
「ああ。
楽しみにしてるよ」
山本は、微笑んだ。
子供たちだけじゃない、山本さんの笑顔も護るんだ!
十三は、心の中で強く誓った。