まっしろな遺書

　2015年6月3日


　たっこやっき くるくるりんこ。

　子供たちがよく歌っている歌を十三は、TUTAYAでCDを借りてBGMを流す。
　ちなみに、山本もこの曲を流していた。

　十三は、ネットで検索して調べCDにダビングして今、流している。
　子供たちが、十三の周りに集まる。

「お兄さん何してるの？」

　歩が、十三に尋ねる。

「今日は、たこ焼きパーティーの日だよ」

「え？」

「兄ちゃん、山本さんのたこ焼き作れるのかよ……」

　元太が、呟く。

「それは、食べてのお楽しみ」

　十三は、そう言ってみんなにたこ焼きを配った。

「あ……」

　愛が、声を上げる。

「おじさんのたこ焼きだ……」

　隼人が、嬉しそうに笑う。

「完成したんですね……」

　充が、笑う。

「うん。
　山本さんにも合格点を貰ったよ」

　すると子どもたちのの表情が暗くなる。
　そして、歩が涙を零し始めた。
　すると隼人以外の子供たちまで涙をこぼす。

「え？
　どうしたの？」

「おじさん死んじゃった……」

　歩が、泣きながら呟く。
　看護師たちが、子供たちをなだめる。
　俺、余計なことをしちゃったのかな……

「十三さん」

　隼人が、十三の名前を呼ぶ。

「うん？」

「ありがとう……」

　隼人のそのひとことは、十三を少し癒した。