まっしろな遺書
2015年6月10日
十三は、ノルディックウォーキングというものを銘に勧められたので、北新地まで美穂と杖を買いに行った。
店は大きくなく種類も少なかったが、いい杖が買えた。
9450円。
帰りは、大阪駅付近の地下街のお店で、カレーナンを食べて、阪急百貨店にあるモンシュシュでロールケーキを買って病院に戻った
ロールケーキも買った。
いつも十三の元へ遊びに来る子供たちの分も入っている。
千春や千代田、銘やはるかの分も入っている。
充が少しでも元気になればと思って買ったのだ。
充は、お礼を言った後は、無言でロールケーキを食べた。
歩も隼人も愛も戸惑いつつケーキを食べていた。
ケーキを食べていると元太がランドセルを背負ったまま十三の病室に訪れる。
「あー!
お前らずるいぞ!
俺にも、ロールケーキ食わせろ!」
元太が、そう言うと美穂が笑う。
「来ると思っていたから元太君の分も用意してるよ」
美穂がそう言って冷蔵庫から元太の分のロールケーキを出した。
「学校は、どうだった?」
十三は、元太に尋ねるとため息をつく。
「はるか先生の授業の方が楽しいし解りやすいし優しい……」
元太が、そう言うとはるかが苦笑い。
「あら、ありがとう」
「友達は、出来たかい?」
「まだ……」
十三の問いに元気なさそうに元太が答える。
「まぁ、そのうちできるよ」
「そうですよ。
元太君は、僕と違って社交的だしすぐに友達が出来て僕たちのこと忘れます……」
充が、悲しそうに言うと元太が怒鳴る。
「そんな訳ないだろ!
死ぬまでお前たちのこと忘れないぞ!」
「絶対忘れないでくださいね……」
充の声が弱々しく泣きそうな声だった。
「忘れないぞ?
歩や隼人、愛のことも忘れないからな!」
「うん!」
歩が、嬉しそうに頷く。
でも、やっぱり充の元気が回復することは、無かった。
充君の手術の日は、13日……
成功したら、元気になるだろう。
十三は、自分でそう言い聞かせ無責任に納得しようとした。
十三は、ノルディックウォーキングというものを銘に勧められたので、北新地まで美穂と杖を買いに行った。
店は大きくなく種類も少なかったが、いい杖が買えた。
9450円。
帰りは、大阪駅付近の地下街のお店で、カレーナンを食べて、阪急百貨店にあるモンシュシュでロールケーキを買って病院に戻った
ロールケーキも買った。
いつも十三の元へ遊びに来る子供たちの分も入っている。
千春や千代田、銘やはるかの分も入っている。
充が少しでも元気になればと思って買ったのだ。
充は、お礼を言った後は、無言でロールケーキを食べた。
歩も隼人も愛も戸惑いつつケーキを食べていた。
ケーキを食べていると元太がランドセルを背負ったまま十三の病室に訪れる。
「あー!
お前らずるいぞ!
俺にも、ロールケーキ食わせろ!」
元太が、そう言うと美穂が笑う。
「来ると思っていたから元太君の分も用意してるよ」
美穂がそう言って冷蔵庫から元太の分のロールケーキを出した。
「学校は、どうだった?」
十三は、元太に尋ねるとため息をつく。
「はるか先生の授業の方が楽しいし解りやすいし優しい……」
元太が、そう言うとはるかが苦笑い。
「あら、ありがとう」
「友達は、出来たかい?」
「まだ……」
十三の問いに元気なさそうに元太が答える。
「まぁ、そのうちできるよ」
「そうですよ。
元太君は、僕と違って社交的だしすぐに友達が出来て僕たちのこと忘れます……」
充が、悲しそうに言うと元太が怒鳴る。
「そんな訳ないだろ!
死ぬまでお前たちのこと忘れないぞ!」
「絶対忘れないでくださいね……」
充の声が弱々しく泣きそうな声だった。
「忘れないぞ?
歩や隼人、愛のことも忘れないからな!」
「うん!」
歩が、嬉しそうに頷く。
でも、やっぱり充の元気が回復することは、無かった。
充君の手術の日は、13日……
成功したら、元気になるだろう。
十三は、自分でそう言い聞かせ無責任に納得しようとした。