まっしろな遺書
2015年6月11日
今日は、月に1度の心療内科の受診の日。
十三の心療内科を担当する医師の名前は、黄昏 彼方(たそがれ かなた)。
紳士な医師で、千春や銘の幼馴染である。
手足胸頭の痛み止めの薬。
1日4回、朝昼晩寝る前の4回の薬が増えることになった。
十三は、彼方に隼人のことを相談してみた。
「先生、病気で元気のない子供の元気を取り戻すには、どうしたらいいですか?」
「どんな状況なんだい?」
「13日に手術を迎えているのですが……
手術が難しいらしく、失敗を怖がっているんです」
「そうか……」
彼方は、そう言って親指立てを口元に当てる。
「なら、楽しみを与えてあげればいい」
「楽しみですか?
手術が成功したら……
とかですか?」
「そう言う言い方をしちゃうと『手術しっぱいしたら……』って考えになってしまうかもしれないね。
だから、さりげなくその子が、楽しみなことを考えてあげると良いよ。
1ヶ月後とかの話にすると生きる希望になるかもしれない……」
「そうですか……」
「ちなみに今年の11月17日には、しし座流星群が、あるらしいよ」
「それって夜じゃないですか?
子供も外出できるんですか?」
「まぁ、近くに穴場はあるけど夜に外出は出来ないだろうね……」
「ですよね……」
「ちなみにこの病院の屋上は結構な星が見えるよ」
「え?」
「外出しなくても病院の屋上に行く程度なら許可は、下りると思うよ」
「そうか!
ありがうございます!」
「いえいえ」
彼方は、ニッコリと微笑む。
「にしても、十三さんは、優しいね」
「え?」
「子供たちのことを考えてあげれる……
それって、優しい証拠だよ。
子供たちが君を慕う気持ちがわかるよ」
「俺は、全くわかりません」
「わからないことが、いいことなんだと思う。
こういうのを知ってしまうと優しさではなく責任感に変わってしまうからね」
「そうなんですか?
難しいことはよくわかんないです」
そんな感じで今日の診察は終わった。
十三は明日、隼人たちをしし座流星群に誘うことにした。
今日は、月に1度の心療内科の受診の日。
十三の心療内科を担当する医師の名前は、黄昏 彼方(たそがれ かなた)。
紳士な医師で、千春や銘の幼馴染である。
手足胸頭の痛み止めの薬。
1日4回、朝昼晩寝る前の4回の薬が増えることになった。
十三は、彼方に隼人のことを相談してみた。
「先生、病気で元気のない子供の元気を取り戻すには、どうしたらいいですか?」
「どんな状況なんだい?」
「13日に手術を迎えているのですが……
手術が難しいらしく、失敗を怖がっているんです」
「そうか……」
彼方は、そう言って親指立てを口元に当てる。
「なら、楽しみを与えてあげればいい」
「楽しみですか?
手術が成功したら……
とかですか?」
「そう言う言い方をしちゃうと『手術しっぱいしたら……』って考えになってしまうかもしれないね。
だから、さりげなくその子が、楽しみなことを考えてあげると良いよ。
1ヶ月後とかの話にすると生きる希望になるかもしれない……」
「そうですか……」
「ちなみに今年の11月17日には、しし座流星群が、あるらしいよ」
「それって夜じゃないですか?
子供も外出できるんですか?」
「まぁ、近くに穴場はあるけど夜に外出は出来ないだろうね……」
「ですよね……」
「ちなみにこの病院の屋上は結構な星が見えるよ」
「え?」
「外出しなくても病院の屋上に行く程度なら許可は、下りると思うよ」
「そうか!
ありがうございます!」
「いえいえ」
彼方は、ニッコリと微笑む。
「にしても、十三さんは、優しいね」
「え?」
「子供たちのことを考えてあげれる……
それって、優しい証拠だよ。
子供たちが君を慕う気持ちがわかるよ」
「俺は、全くわかりません」
「わからないことが、いいことなんだと思う。
こういうのを知ってしまうと優しさではなく責任感に変わってしまうからね」
「そうなんですか?
難しいことはよくわかんないです」
そんな感じで今日の診察は終わった。
十三は明日、隼人たちをしし座流星群に誘うことにした。